刻印なしの金の見分け方|金かどうか自分で調べる方法と限界

刻印なしの金の見分け方を表すアイキャッチ

当サイトの記事は、造幣局・国税庁・消費者庁など公的機関の情報、日本ジュエリー協会の表示規定、田中貴金属工業の公表価格、各買取店の公式情報、海外の公的機関の公開情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。金価格・買取価格は記事執筆日時点の参考値で、日々変わります。

実家の引き出しから、金色の指輪やネクタイピンが出てきた。でも、どこを探しても刻印が無い。そんな時、『これって本物の金なのかな』と気になりますよね。

結論から言うと、刻印なしの金の見分け方は「自宅でできる確かめ方で絞り込み、最後は店の検査で確かめる」の二段構えです。刻印が無いだけで偽物とは言えませんが、自宅だけで本物と決めるのも難しいんです。

この記事では、金かどうか自分で調べる方法を順番に紹介し、どこまで分かるのか、どこからは店に任せたほうがいいのかをお伝えします。

刻印が気になる人

父からもらった金色の指輪に、刻印がどこにもありません。金かどうか、家で調べる方法はありますか?

案内役

ありますよ。磁石と、重さを使った比重の計算までなら家でもできます。ただ、それで分かることには限りがあるので、順番に見ていきましょう。

目次

刻印なしの金は本物?先に結論

先に結論

刻印が無い金製品は実際にあります。自宅では見た目・重さと比重・磁石・保証書などの記録で「金らしいか」を絞り込み、品位(どれだけ金が入っているか)は店の蛍光X線分析や比重計で確かめてもらうのが確実です。

まず知っておきたいのは、刻印が無いことは珍しくないという点です。

造幣局は品位証明(ホールマーク)について、「このマークは任意の制度として設けられています。そのため、市販されている貴金属製品にはマークのない製品もあります」と書いています。

続けて「貴金属の品位は目で見てわかるものではありません」ともあります。ここが大事なところです。

日本ジュエリー協会の表示規定にも、アンティークジュエリーや歴史的なジュエリーには本体に品位が刻印されていないものがある、と書かれています。

つまり「刻印が無い=偽物」とも「金色で重い=本物」とも言えないんです。

調べ方どこでやるか分かること分からないこと
見た目(色・傷・変色)自宅剥がれや下地の色が見えるか金の純度
重さと比重自宅金に近い重さかの目安K18やK14などの品位
磁石自宅磁石に付く金属が多く入っていないか磁石に付かない別の金属かどうか
保証書・購入時の記録自宅買った時の素材の表示今の品物と同じかどうか
蛍光X線分析・比重計店金やプラチナの含有量ほぼ無し(最終判断に使われる)

刻印なしの金全体の話は刻印なしの金とは、刻印の見方そのものは金の刻印の見方ガイドにまとめています。

まずは見た目を確かめる

『色を見れば、金かどうか分かるんじゃない?』と思う方も多いはずです。

実は、色だけで金かどうかを決めるのは難しいんです。金メッキの品も、表面は金と同じ色をしているからです。

それでも、見た目から拾える手がかりはあります。

見た目で確かめること
  • こすれやすい角や留め具の色が、ほかの部分と違わないか
  • 表面が剥がれて、銀色や赤っぽい下地が見えていないか
  • 緑色や黒っぽい変色が、まだらに出ていないか
  • 小さな文字や記号が、裏側や留め具の近くに残っていないか
  • 石や別の色の金属が組み合わさっていないか

例えば、指輪の内側だけ色が薄く、銀色の下地がのぞいている。こんな時は、表面だけ金の品の可能性を考えておきましょう。

ただ、メッキが剥がれていない新しい品なら、見た目では区別がつきません。見た目は「怪しい品をはじく」ための確かめ方だと考えてください。

刻印が小さくて見落としているだけのことも

刻印が無いと思っていても、実はとても小さく入っていることがあります。

田中貴金属のRE:TANAKAは、貴金属ジュエリーは留め具などに品位が刻印されている場合がある、と案内しています。

ネックレスなら留め具やプレート、指輪なら内側、ピアスならポストやキャッチ。明るい場所でルーペを使って、もう一度見てみましょう。

刻印を探す場所は金の刻印はどこにある?で品物ごとに紹介しています。

見た目を確かめる時に、やらないこと

刻印を探そうとして磨いたり、汚れを薬品で落としたりするのはやめておきましょう。おたからやも、無理に磨いたり薬品で洗浄すると表面を傷つけたり色味を損ねたりする恐れがあるとして、手を加えずそのまま持ち込むよう案内しています。

重さ・比重と磁石で確かめる

比重は「金に近い重さか」の目安

比重は、品物の重さが同じ体積の水の何倍かを表す数字です。田中貴金属工業が公表している金の密度は19.32なので、純金に近い品ならこの数字に近い値が出ます。

『手に持った感じが重いから、金だと思う』という声はよく聞きます。

ただ、手の感覚では他の金属との差は分かりにくいものです。そこで使えるのが、キッチン用のはかりと水を使った比重の計算です。

水とはかりで比重を計算する手順
  1. 品物の重さを量り、Aとしてメモする
  2. 水を入れたコップをはかりに載せ、表示を0にする
  3. 品物を糸でつるし、底や壁に触れないように水の中へ沈める
  4. 増えた重さを読み、Bとしてメモする
  5. A÷Bで比重を計算する

計算の前提として、例えば10gの純金の品なら、水に沈めた時に増える重さは約0.52gになります。10÷19.32で出した値です。

金属密度(田中貴金属工業の公表値)10gの品を沈めた時に増える重さ(計算値)
金19.32約0.52g
プラチナ21.45約0.47g
銀10.50約0.95g

同じ10gでも、銀なら増える重さが金の倍近くになります。金色なのに銀に近い数字が出たら、銀に金メッキをした品などを疑う手がかりになります。

比重の結果を読む時の注意

ここで1つ気をつけたいのが、K18やK14は金に銀や銅などを混ぜた合金だという点です。

合金の比重は純金の19.32より小さくなりますが、K18やK14の比重の公的な数値は確認できていません。だから、この記事では合金の目安の数字は載せていません。

『19.32より小さいから偽物だ』と決めつけないでくださいね。

比重の計算がぶれやすい品

軽い品は、はかりの誤差で数字が大きくぶれます。石が付いた品、中が空洞の品、留め具など別の素材が混ざった品も、正しい値が出にくくなります。

詳しい手順や計算例は金の比重で本物を見分ける方法にまとめています。

磁石でも確かめてみる

『磁石なら家にあるし、すぐ試せそう』と思いますよね。

磁石は手軽ですが、分かることは限られています。金は磁石に強く付く金属ではないので、本体ごと強く付く品は、鉄など磁石に付く金属が多く入っている手がかりになります。

磁石の結果考えられること次にやること
本体ごと強く付く磁石に付く金属が多く入っている可能性店で素材を確かめてもらう
留め具だけ付く留め具の中のバネなど、部品の素材の可能性本体の素材は別に確かめる
まったく付かない金の可能性もあるが、磁石に付かない別の金属の可能性もある比重や店の検査に進む

実は、留め具だけが反応するのはよくある話です。日本ジュエリー協会の表示規定でも、引輪のスプリングやクラスプのバネなどは、貴金属ではない機能部品として扱われています。

一番大事なのは表の最後の行です。磁石に付かないからといって、金だと決まるわけではありません。

磁石の使い方は金は磁石に付く?で詳しく扱っています。

刻印の代わりになる手がかりを集める

刻印が無くても、品物の外に手がかりが残っていることがあります。

『そういえば、箱に何か書いてあったかも』と思い当たる方もいるかもしれません。

刻印の代わりに探したいもの
  • 保証書や品質表示のカード(素材や品位が書いてあることがある)
  • 購入時のレシートや納品書
  • 箱やケースに書かれた店名や素材の表示
  • 修理やサイズ直しをした時の控え
  • 家族から聞いている「いつ、どこで買ったか」のメモ

例えば保証書に「K18」と書いてあれば、買った時の素材の手がかりになります。

ただ、その書類が今の品物のものかどうかは、自分では確かめにくいものです。修理で部品が替わっていることもあるので、書類は「査定の時に一緒に見せる資料」として持っていきましょう。

インゴットは別に考える

金のインゴットや金塊は、アクセサリーとは扱いが違います。

おたからやは金ページのよくある質問で、刻印や番号が確認できないインゴットは買取を断らざるを得ない場合がある、と案内しています。

一方で、購入先や証明書などがあって整合性が取れる場合は、刻印ありと同等の査定額を提示できるケースもあるそうです。インゴットこそ、購入時の書類が大事なんです。

自分で調べる方法には限界があります

自宅で分かるのは「金らしいかどうか」まで

自宅の確かめ方は、明らかに金ではない品をはじくのには役立ちます。でも、K18なのかK14なのか、メッキなのかまでは決められません。

ここまでの方法を並べると、どれにも苦手なことがあります。

自宅の確かめ方苦手なこと
見た目新しいメッキの品は、金と見分けがつかない
重さと比重合金の品位は決められない。石付き・空洞・軽い品はぶれる
磁石磁石に付かない別の金属は見分けられない
書類今の品物と同じものか確かめられない

『じゃあ、もっと確実な方法を家でやれないの?』と思うかもしれません。

ネットでは、削る、噛む、薬品をかける、火であぶるといった方法も見かけます。でも、これはおすすめしません。

削る・噛む・薬品・火は使わない

品物に傷が付いたり形が変わったりして、価値が下がるおそれがあります。薬品や火は危ないこともあります。確かめたい時は、手を加えずに店へ持ち込みましょう。

石で擦って色を見る試金石という方法もありますが、品物の表面を削ることになります。自宅でやらない理由は試金石とは?で説明しています。

品物ごとに、自宅の確かめ方の向き不向きがある

同じ刻印なしの金でも、品物の形で自宅の確かめ方の当てになり方が変わります。

品物自宅で確かめやすいこと当てになりにくいこと
指輪(石なし)磁石、重さと比重サイズ直しで別の地金が足されている場合
指輪(石付き)磁石比重(石の分だけ数字がずれる)
ネックレス本体の磁石、重さ留め具やバネの反応、比重の細かい数字
ピアス・小物磁石比重(軽くて誤差が大きい)
金塊・インゴット重さと比重品位(購入時の書類が大事)

例えば石付きの指輪なら、磁石で強く付かないかを見るくらいにとどめ、比重の計算はあまり気にしなくて大丈夫です。

刻印が気になる人

家でいろいろ試しても、結局はっきりしないんですね…。

案内役

そうなんです。家での確かめ方は「店に持っていく価値がありそうか」を考える材料くらいに思っておくと気が楽ですよ。品位は店の機械で測ってもらいましょう。

店ではどうやって確かめるの?

刻印の無い金を店に持ち込むと、刻印の代わりに機械で品位を確かめます。

おたからやは、刻印のない金・貴金属でも査定・買取が可能で、専用の蛍光X線分析装置で金やプラチナの含有量を測定していると案内しています。すべての店舗に比重計を完備しているとも書いています。

RE:TANAKAも、まず刻印で品位を目視確認し、買取の際は専用の蛍光X線検査装置で正確な品位を判定すると説明しています。

店の確かめ方どんな方法か向いている品
蛍光X線分析品物を傷つけずに、金やプラチナの含有量を測るアクセサリー、メッキの疑いがある品
比重計水に沈めて重さの変化から比重を測る金塊やインゴットなど、水に浸せる品

蛍光X線分析のしくみは蛍光X線分析とはで紹介しています。

刻印の無い品の扱いは店ごとに違う

刻印の無い金の扱いは、店によって書き方が違います。公式ページの記載を並べると、こうなります。

店刻印の無い金について公式ページの記載
おたからや刻印のない金・貴金属でも査定・買取が可能(インゴットは断る場合あり)
買取大吉比重などで種類や品位を特定し、金・貴金属と判断できれば買取
なんぼや金と判断できれば買取。調べるのに時間がかかる場合や、貴金属として扱えない場合もある
バイセル刻印のない金製品でも、査定士が素材を分析して価値を見極める

時間がかかることもあるので、時間に余裕をもって持ち込むのがおすすめです。

その場で品位が分からないと言われたら

刻印の無い品は、その場で品位が決まらないこともあります。おたからやのコラムでも、刻印がないと鑑定に時間がかかることがある、と説明されています。

そんな時は、慌てて決めなくて大丈夫です。「いつごろ結果が分かりますか」「どんな方法で調べますか」と聞いておきましょう。

結果を聞いてから、売るかどうかを考えれば十分なんです。

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刻印の読み方に迷ったら、査定で確かめる

刻印が読めない金や刻印の無い金も、店頭で品位と重さを確かめてもらえます。出張査定も選べるので、金額と内訳を聞いてから売るかどうか決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取価格は日々変わります。最新の価格・条件は公式サイトで確認してください。

店に持ち込む時は、「刻印が見当たらないのですが、品位を測ってもらえますか」と伝えてみてください。

あわせて「どの方法で測ったか」「品位と重さはいくつだったか」を聞いておくと、金額の理由が分かって安心です。

刻印の無い金を自宅と店で確かめる流れの図解

店に持ち込むまでの流れ

自宅で確かめたら、次は店に持ち込む準備です。

『偽物だったら恥ずかしい』と気後れする方もいるかもしれません。でも、おたからやは金かどうか分からない場合でも無料で鑑定するとしていますし、買取大吉も本物かどうかに関わらず無料で調べると案内しています。

店に持ち込むまでの流れ
  1. 刻印が無いか、明るい場所でルーペを使ってもう一度見る
  2. 磁石と重さを確かめ、結果をメモする
  3. 保証書やレシートなど、手がかりになる書類を集める
  4. 刻印の無い品も査定するか、店の公式ページや電話で確かめる
  5. 手を加えずにそのまま持ち込み、品位と重さを聞いてから決める

お店に行く時は本人確認書類も忘れずに。おたからやは、現住所が記載された本人確認書類が必要で、18歳未満の方からは買い取らないと案内しています。

査定の受け方は刻印なしの金は買取できる?、本物の見分け方の全体は金の本物の見分け方も参考にしてみてください。

よくある相談:刻印なしの金を見分けたい

Yahoo!知恵袋にも、刻印の無い金の見分け方についての相談が寄せられています。よくある3つに答えますね。

相談1:刻印が無い品を、金かどうか家で調べる方法は?

金の値段が上がっているというニュースを見て、家族からもらった品が金かどうか知りたい、という相談です。

家でできるのは、ここまで紹介した見た目・磁石・比重の確かめ方です。順番は、磁石で強く付く品をはじき、次に重さと比重を見る流れが分かりやすいですよ。

ただ、それで分かるのは「金らしいかどうか」まで。品位まで知りたい時は、店で測ってもらいましょう。

相談2:刻印は無いけれど、色は金のネクタイピン

色は金色なのに、刻印が見当たらないネクタイピンをどう考えればいいか、という相談です。

ネクタイピンのような小物は、表面だけ金色にした品も多くあります。『色が金だから金』とは言い切れないんです。

まず裏側や留め具の近くに小さな刻印が無いかをルーペで見て、それでも無ければ磁石と重さを確かめてみてください。

針やバネの部分は、別の素材でできていることもあります。日本ジュエリー協会の表示規定でも、タイタックの針は貴金属ではない機能部品の例に挙がっています。

相談3:刻印は無いけれど、作りや石から見て金だと思う

石の付いた指輪で、作りの良さから金だと思うけれど刻印が無い、という相談です。

作りが丁寧でも、それだけで素材は分かりません。石が付いていると重さや比重も正しく出にくいので、自宅での判断はさらに難しくなります。

石の扱いも店で違います。RE:TANAKAは、デザインやブランド、石の価値など、貴金属以外の価値は評価しないと明記しています。

石の価値も見てほしい時は、石も査定するか店に聞いてから持ち込むと安心です。

刻印なしの金を自分で調べる方法と、その限界をまとめた図解

よくある質問

刻印が無い金は偽物ですか?

刻印が無いだけで偽物とは言えません。造幣局のホールマークは任意の制度で、古い品や海外の品には刻印の無いものもあります。品位は店の検査で確かめてもらいましょう。

磁石に付かなければ本物の金ですか?

磁石に付かない金属は金以外にもあるので、付かないだけでは本物とは言えません。磁石は、強く付く品をはじくための確かめ方と考えておきましょう。

比重を計算したら19.32より小さくなりました。金ではないのですか?

K18やK14は金に他の金属を混ぜた合金なので、純金の19.32より小さくなります。軽い品や石付き・空洞の品は数字もぶれるので、比重だけで決めずに店で確かめてもらいましょう。

刻印の無い金を自分で削って中を見てもいいですか?

おすすめしません。傷が付いて価値が下がるおそれがあります。店の蛍光X線分析なら、品物を傷つけずに含有量を測れます。

鑑定だけしてもらうことはできますか?

店によって違います。おたからやは金かどうか分からない場合でも無料で鑑定するとしていますが、RE:TANAKAは買取を前提に鑑定するため、品位鑑定のみの依頼は受けていないと案内しています。

まとめ

この記事の要点
  • 刻印の無い金製品はある。造幣局のホールマークは任意の制度で、刻印が無いだけで偽物とは言えない
  • 自宅でできるのは見た目・重さと比重・磁石・書類の確認まで。分かるのは「金らしいかどうか」
  • 比重は金の密度19.32が目安。合金や石付き・空洞の品は数字がぶれる
  • 削る・噛む・薬品・火は使わない。手を加えずに持ち込む
  • 品位は店の蛍光X線分析や比重計で確かめ、品位と重さを聞いてから決める
金の刻印.jp

金の刻印.jp 編集部

手元の金製品に打たれた刻印(K24・K18・750・GP・GF・ホールマーク・海外の表記など)の意味と、本物かどうかの確かめ方、刻印の無い金の扱い、査定に出すまでの流れを、公的機関・業界団体・各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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